ビジネスデータアナリティクス・ガイドの見どころ紹介! ~スポンサー企業の社内紹介記事から~

22年2月にAmazonで日本語版の販売を開始した、『ビジネスデータアナリティクス・ガイドv1』について、翻訳された方の紹介文をご掲載します。

翻訳に参加された西村様がNTTコムウェア様社内で紹介したと聞き、日本支部サイトへの転載を相談したところ、ご快諾いただき、このページへの掲載が実現しました。NTTコムウェア様関係各位に感謝いたします。


コムウェア社員も翻訳! ~ ビジネスデータアナリティクス・ガイドv1のご紹介

こんにちは。BI本部AI・データサイエンス推進室 西村です。

データサイエンスの世界は技術に注目がいきがちですが、ビジネス的な成功を考えたときには、実施するデータ分析や作成する予測モデルのクオリティだけではなく、そういうデータサイエンスの活動がちゃんとビジネス的な価値を発揮するように企画段階でしっかりと方向づけしておくことが重要です。

そんな中で今回コムウェア社員が中心となって翻訳し2/15に発売になったI「ビジネスデータアナリティクス・ガイドv1」が救世主!、、とまではいかないでも指針にはなると思い、ご紹介します!

1.想定読者

 この本は通常のデータサイエンス本と違って、データ分析で手を動かす側ではなくデータサイエンスを活用するプロジェクトを立ち上げ実施していく側のビジネスアナリストの立場の方に向けて書かれているのが特徴で、ビジネスアナリストの立場の方がプロジェクトを推進する上でのプロセス論や最低限知っておくべき課題整理のフレームワーク・分析技術などをまとめた本になっています。

その意味でちょっと異色の本ではあるのですが、システム開発で上流とよばれる分野でデータサイエンスにかかわる方にはいろんなヒントがあるのではと思います。

2.内容

全体構成

3章立てとなっていますが大きく2つのパートに分かれていて、前半(第1章~第2章)がビジネスの状況やデータサイエンスの課題を整理するところからスタートするプロセス論の組み立て方、後半(3章)が課題を整理するフレームワークやデータサイエンスの技術などの用語集的なものとなっています。

<目次>
第1章:ビジネスデータアナリティクス序論

第2章:ビジネスデータアナリティクスの領域とタスク
 2.1 調査課題を特定する
 2.2 データを入手する
 2.3 データを分析する
 2.4 結果を解釈し報告する
 2.5 ビジネス上の意思決定に影響を与えるために結果を活用する
 2.6 ビジネスデータアナリティクスの組織レベルの戦略をガイドする

第3章:テクニック
 3.1 ビジネス・シミュレーション
 3.2 ビジネスの最適化
 3.3 コンセプト・モデリング
 3.4 データ・ディクショナリー
 3.5 データ・フロー図

 3.6 データ・マッピング
 3.7 データ・ストーリーテリング
 3.8 意思決定モデリングと意思決定分析
 3.9 記述統計と推測統計
 3.10 抽出、変換、ロード(ETL)

 3.11 探索的データ分析
 3.12 仮説の定式化と検定
 3.13 インターフェイス分析
 3.14 最適化
 3.15 問題整形と問題リフレーミング

 3.16 ステークホルダー・リスト、ステークホルダー・マップ、ペルソナ
 3.17 サーベイとアンケート
 3.18 技術的な可視化
 3.19 ビッグアイデア
 3.20 3分間ストーリー

少しネタバレとなりますが個人的にこの本の押しポイントだと思っているところを2点ご紹介します。

【ポイント1】プロジェクトを進めるためのプロセス論

 システム開発においてはSP→ED→ID・・・など当たり前になっているプロセス論ですが、データサイエンスの世界ではまだまだ整理が進んでいないところです。いろんなタイプのデータサイエンスプロセスを包含するようなものとしてはデータサイエンス協会が作っていてCOMCPも準拠しているプロセスが参考になりますが、どうしても具体的な実施内容に関する説明が漠然としています。また、一方で個別的に機械学習のモデルを作るだけならCRISP-DMなどが参考になりますが、どちらかというとデータサイエンスを実行する側の視点に寄ったプロセスになっています。

 この点で本書はもう少しデータサイエンスのプロジェクトをドライブする側の視点のプロセスとして、ステークホルダーのニーズをとらえたり、相手に合わせたコミュニケーションの形態を選択するようなところまで踏み込んで書いてあり、これまであまりなかった領域のプロセス論として役立ちそうです。

      ビジネスデータアナリティクスのプロセス

 

【ポイント2】データサイエンスの課題を整理するフレーム

 データサイエンスのプロジェクトにおいてユーザーや業務部門、お客さんからの要望が具体的で使う手法が明確な場合もあるのですが、往々にしてあいまいな場合もあります。一方でデータサイエンスで使うモデルは星の数ほどのアルゴリズムとバリエーションがある上に、目的も適したデータ量や精度など選択する基準も多種多様にわたり、このビジネスニーズとアルゴリズムにかけ橋を架けるのが、結構大きな課題だと個人的には思っています。

 これの一つの解がビジネスニーズを記述的・診断的・予測的・処方的に4分類する方法です。この分類は私個人も案件でビジネスニーズの整理に使ってきたので、ここで紹介してもらって「やっぱりこれは有効なアプローチなんだな」と安心した次第です。

         データ分析技術の分類方法


転載は以上になります。
記載内容はいずれも22年発行時点の情報です。
NTTコムウェア様、関係各位、記事の提供をありがとうございました。

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